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海外から戸籍謄本を取り寄せる方法
海外の移民局や公的機関へ戸籍書類を提出する際は、本籍地の市区町村から戸籍謄本 (全部事項証明書) を取得する必要があります。日本大使館や総領事館の窓口では発行されません。海外在住者が取得する方法としては、日本国内の家族に依頼する、海外から直接郵送で請求する、一時帰国時に窓口やコンビニで取得する、の3通りがあります。各自治体や関係省庁の公式情報をもとに、必要な要件と手続きをまとめました (2026年9月時点)。
戸籍謄本は本籍地の市区町村でのみ発行されます
戸籍は居住地ではなく本籍地で管理されているため、証明書の発行業務は本籍地の市区町村が担当しています。在外公館 (日本大使館・総領事館) が取り扱うのは在留証明や署名証明、出生・婚姻などの身分事項の証明に限られ、戸籍謄本の交付や取り寄せには対応していません。在バンクーバー総領事館の案内でも「本籍地の市区町村役場に直接請求いただく必要があります」と明記されています。
戸籍謄本を直接請求できるのは、戸籍に記載されている本人、配偶者、直系尊属 (父母・祖父母)、直系卑属 (子・孫) です (戸籍法第10条)。配偶者や直系親族であれば委任状なしで請求できますが、兄弟姉妹や知人など、それ以外の方が代理で請求する場合は委任状が必要です。
方法1: 日本国内の家族や知人に請求を依頼する
日本国内で手数料の納付と証明書の受け取りが完結するため、もっとも確実で迅速な方法です。中野区の案内でも、国内に配偶者や直系親族がいる場合はこの方法を勧めています。配偶者・父母・子であれば委任状なしで役所窓口または郵送により請求できます。それ以外の方へ依頼する場合は、本人が署名した委任状 (原本) の提出が必要です。書類は代理人の住所へ送付されるため、海外の現住所へ転送してもらうか、翻訳手続きのみであればスキャンデータや写真画像をメール等で送ってもらうことで手続きを進められます。
方法2: 海外から直接郵送で請求する
郵送での請求は戸籍法第10条第3項で認められた方法で、東京都の区部や政令指定都市の多くが海外居住者向けの手続き案内を掲載しています。細かな運用は自治体ごとに異なるため本籍地の市区町村の公式サイトでの事前確認が必要ですが、主な共通事項は以下のとおりです。
- 送付書類: 請求書 (連絡の取れるメールアドレスを明記)、海外の現住所が確認できる本人確認書類の写し、手数料、返信用郵便料金、返信用封筒を用意します。パスポートの写しだけでは住所が確認できないため受け付けない自治体がほとんどで、現地の運転免許証、在留証明書、公共料金の領収書など、現住所の記載がある書類の写しを添付します。
- 交付手数料: 戸籍全部事項証明書 (謄本) は1通450円、除籍謄本や改製原戸籍は1通750円が政令で定められた標準額となっています。
- 手数料の納付方法 (自治体ごとに異なります): 日本国内の親族や知人を通じて定額小為替や現金書留で納付する方法は、どの自治体でも使えます。国外からの直接納付については、日本円の現金を国際現金書留で同封できる自治体 (大阪市、横浜市、船橋市)、国際返信切手券 (IRC) を手数料に充当できる自治体 (世田谷区、中野区) と受け付けない自治体 (横浜市、船橋市)、クレジットカード決済に対応している自治体 (大阪市、中野区) に分かれます。なお、国際郵便為替は2020年3月27日をもって発行が終了しており、銀行振込や外貨による納付は受け付けられません。
- 返送先と配送日数: 書類の返送先は、本人確認書類に記載された海外の現住所に限られます。日本国内に住民票を残したまま出国している場合、海外住所への返送を受け付けない自治体もあります (大阪市)。追跡可能な EMS による返送を選べる自治体もあります (横浜市は専用封筒代51円を加算)。請求から受取までの日数は、10日から2週間程度が目安とされています (中野区)。
方法3: 一時帰国時に窓口やコンビニエンスストアで取得する
- 広域交付 (本籍地以外の市区町村窓口): 2024年3月1日より、本人・配偶者・直系親族の戸籍謄本であれば、本籍地以外の市区町村窓口でも取得できるようになりました。請求者本人が窓口に出向き、運転免許証・マイナンバーカード・パスポートなどの顔写真付き公的身分証明書を提示する必要があります。郵送や代理人による請求は認められていません。抄本 (個人事項証明書) やコンピュータ化されていない一部の戸籍・除籍は対象外です。海外からの取り寄せには使えませんが、一時帰国中であれば最寄りの役所窓口で謄本を取得できます。
- コンビニ交付: マイナンバーカードを保有しており、本籍地の自治体がコンビニ交付サービスに対応している場合、日本国内のコンビニエンスストアに設置されたマルチコピー機で取得できます。住民登録地と本籍地が異なる場合は事前に本籍地への利用登録申請が必要となりますので、J-LIS の「利用できる市区町村」一覧で本籍地の「戸籍 (本籍地)」欄が○になっているかご確認ください。
- 海外転出後のマイナンバーカード利用: 2024年5月27日以降、日本国籍をお持ちの方は国外転出後もマイナンバーカードを継続して利用できるようになりました。転出届の提出時に継続利用手続きを行わないと転出予定日に失効するため注意が必要です。2015年10月5日以降に転出してカードをお持ちでない方は、在外公館または国内の市区町村窓口を受取場所として海外から新規申請できます。継続利用手続きを済ませたカードを用いれば、一時帰国中にコンビニで戸籍証明書を取得できる旨を案内している自治体もあります (足立区)。
戸籍謄本を取得した後の英訳手続き
当サービスへの翻訳依頼に原本の郵送は不要です。取得した戸籍謄本の鮮明なスキャンデータまたは写真画像を 注文フォーム よりお送りいただければ、翻訳証明書を添付した英訳データを PDF および Word 形式でメールにて納品いたします。海外の移民局では一般に抄本ではなく謄本 (全部事項証明書) が求められますので、役所へ請求される際は謄本をご指定ください。書式や仕上がりの詳細については 戸籍の英訳のページ に掲載している英訳サンプルでご確認いただけます。
よくある質問
- 日本大使館や総領事館で戸籍謄本を取れますか? 在外公館では取得できません。在外公館が発行するのは在留証明や署名証明、出生・婚姻などの身分事項の証明に限られ、戸籍謄本の交付や取り寄せ業務は行っていません。本籍地の市区町村へ直接請求する必要があります。
- 謄本 (全部事項証明書) と抄本 (個人事項証明書) のどちらを取ればいいですか? 最終的には提出先の指定によりますが、海外の移民局では一般に戸籍に記載された全員分の謄本 (全部事項証明書) が求められます。また、一時帰国中に本籍地以外の市区町村窓口を利用する広域交付では抄本を請求できないため、謄本を取得しておくことをおすすめします。
- オンラインで申請して海外の住所に送ってもらえますか? 2026年9月時点で、申請から発送までオンラインで完結し、海外の住所へ送付する自治体は確認できていません。オンライン申請を導入している自治体も、書類の送付先は日本国内の住民登録地に限られています。ただし、海外からの郵送請求において手数料のみクレジットカード決済を受け付けている自治体 (大阪市、中野区など) はあります。
出典 (2026年9月8日確認)
- 法務省「戸籍法の一部を改正する法律について (令和6年3月1日施行)」(広域交付)
- 法務省「戸籍の窓口での本人確認が法律上のルールになりました」
- e-Gov 法令検索 戸籍法 (第10条、第10条の2、第10条の3、第120条の2)
- e-Gov 法令検索 地方公共団体の手数料の標準に関する政令 (別表 第8号)
- 外務省「在外公館における証明」
- 在バンクーバー日本国総領事館「戸籍/国籍関係Q&A」
- 地方公共団体情報システム機構 (J-LIS)「本籍地の戸籍証明書取得方法」(コンビニ交付)
- マイナンバーカード総合サイト「マイナンバーカードを国外で利用する」
- 世田谷区「海外から郵送で戸籍の証明を申請する方法」
- 中野区「戸籍の郵送申請 (海外からの申請)」
- 大阪市「海外からの戸籍の証明書等の郵送請求について」
- 横浜市「国外からの戸籍証明の郵送請求について」
- 船橋市「海外から戸籍証明書を郵送請求する場合」
各自治体の受付要件や手続き方法は変更される場合があります。実際に請求される際は、本籍地の市区町村が公開している最新の案内をご確認ください。